上田市・佐久市
2024/02/21
コバックニュース
昔から現代に至るまで、私たちの生活に欠かせない車。
最新技術が注ぎ込まれたその姿は日々進化を遂げていますが、デザインや見た目以外の部分も、時代に合わせて改良を重ねられているのです。
今回は日本の車の始まりから未来の車の姿まで、進化の軌跡を辿っていきましょう!
国内の自動車産業は明治~大正時代にかけて広がったといえます。
明治時代、海外からフランスのパナール・ルヴァソールというガソリンエンジン車が持ち込まれたことをきっかけに、1904年に蒸気式の自動車が、1907年には国内初のガソリン車が実用化されました。
大正時代に入ると快進社が日本初の乗用車「ダット」を発表、続いて白楊社が「オートモ号」を完成させました。
しかし日本の技術がまだ未熟だったこともあり、欧米諸国に市場を奪われ快進社・白楊社は解散してしまいました。
戦後の経済成長とともに、日本の自動車産業は元気を取り戻します。
10年刻みでフォーカスしていきましょう。
【1960年代】
乗用車の量産が始まったのは1960年代以降になってからのことでした。戦前まではトラックが主流でしたが、日産スカイライン・トヨタカローラ等、現代にもファンの多い名車が続々と生み出されていきました。
60年代は日本の自動車産業が花開いた時期と言えます。
【1970年代】
自動車産業の発展の一方で、排気ガスによる大気汚染が問題視されるようになったのがこの頃です。
ホンダが発表したCVCCエンジンが、厳しい基準をクリアした世界初のエンジンとなりました。
70年代は、贅沢の象徴のような存在だった車に大きな方向転換を求められた時代であり、車は人と環境に優しいものであるべきという考え方が徐々に広がっていったのです。
【1980年代】
樹脂製バンパーの採用やエンジンの電子制御といった、現代の車社会に繋がる進化が1980年代に起こります。
日産スカイラインGT-R、トヨタ ソアラ2800GTなど、国産のスポーツカーが数多く誕生した年代でもありました。
【1990年代】
90年代、衝突安全ボディの誕生やABS、エアバッグの本格実用化など車の安全性能がぐっと上がった時代です。
カーナビゲーションシステムが開発されたのもこの頃で、GPS内蔵のナビは日本が世界に先駆けて開発したものでした。
【2000年代】
2000年代を表すなら、「エコカー全盛期」です。
ハイブリッド車や電気自動車の研究開発が進み、ハイブリッドカー「プリウス」は、2代目が2004年に誕生してから一気に販売台数を伸ばしました。
環境に悪影響を与えないエコカーが当たり前の文化になったと言えるでしょう。
今ではボタン一つ、遠隔で一瞬で使える機能も昔はほとんどが手動でした。
■窓はハンドルを手で回して開閉
今や車窓はボタン一つで開け閉めが可能ですが、ハンドルをぐるぐると回して開け閉めを行っていた時代がありました。
車のエンジンを切っても開閉できるため、緊急時でも車内閉じ込めの心配がないことから復活を望む声も少なくないようです。
■フェンダーミラー
昔はボンネットの前方端、前輪を覆うパネルの上にあるフェンダーミラーで後方を確認していました。
現代の新車にデザインが合わない、折り畳むことが出来ず人と接触すると危険などの理由から乗用車での採用数は減っていきましたが、ドアミラーのように頭を大きく動かさなくてもよいという点で視認性に優れるため、現代もタクシー等で採用されています。
■ドアごとに鍵を閉めていた
今はリモートキーのボタンを一度押すだけで、全てのドアのロックが可能です。
しかし、リモートキーのない時代においてはドアごとに鍵を閉める必要がありました。
内側から後部座席含め全ての鍵をロックし、最後に運転席から出て施錠するのが当たり前だったのです。
急いでいたり、施錠が面倒と感じてしまうドライバーも多かったため、車上荒らしなどの被害件数も今より多かったようですね。
■三角窓
フロントドアウィンドウの前の方に装備された三角窓。
車内に外気を取り入れることができるため、暑い日の走行中も涼しい風がビュービュー入ってとても快適に過ごせたそう。
車内の換気目的でも、ノンクーラー時代に非常に重宝されていました。
■高速道路で100km/h超えるとキンコン音が鳴る
1980年代まで、車には速度100km/hを超えると「キンコンキンコン」と音が鳴るアラームがついていました。
当時の車にとって100km/hという速度はかなりの負担であり、ブレーキ性能も低く制動距離が長かったためです。
「速度警告装置の装備要件」として法律で定められていましたが、車の性能が上がったことで100km/hの速度は普通になり廃止されました。
■雪道のスパイクタイヤ
タイヤのトレッド面に金属製のピン(スパイク)を打ち込んだスパイクタイヤ。ピンが雪や氷に突き刺さり、凍結路でも安定した走行を叶えました。
しかし雪や氷のない乾いた路面の走行時はスパイクがアスファルトを削る形になり、細かな粉塵を巻き上げます。
やがてこれが1980年代に公害として大問題となってしまったのです。
後にスパイクタイヤの代用品で、「スタッド(鋲)レス(ない)」スタッドレスタイヤの使用が一般的になりました。
明治時代から現代まで、自動車産業が歩んできた道を辿ってきましたが
自動車業界は「100年に一度の変革期」を迎えていると言われています。
その大きな要素として挙げられるのが、【電動化】【自動化】【コネクテッド化】の3つです。
■電動化
電気自動車を意味する「EV」はElectric Vehicleの略です。
車の動力といえば「エンジン」と言われる時代が続いていますが、今はこの動力が「バッテリー+モーター」に置き換わろうとしています。
業界ではこの変化を「電動化」と呼んでいます。
走行中に排気ガスやCO2を出さない電気自動車は環境に優しいとされ、インドや中国などの大気汚染が問題になっている国においては、解決策の一つとして自動車の電動化が注目を集めているのです。
■自動化
テレビCMでも自動運転システムを搭載した車を見かけるように、今は世界各国で車の自動運転への研究が加速しています。
人が運転するよりも安全・円滑な運転を可能にすることを目指しているため、渋滞の緩和や交通事故の削減といった交通社会の課題の解決へ向けて大きな期待を寄せられています。
物流など、人の移動だけでない様々な産業への影響も期待できると言えるでしょう。
■コネクテッド化
身近な機能だとカーナビやETC、Bluetooth機能などが思い浮かぶのではと思います。
しかし予想しないトラブル時のために、車には様々な機能が備わっているのです。
事故に遭ってしまったときに自動で緊急通報をしてくれるシステムや、ドアのこじ開けなどで車のアラームが作動するとメール・電話で知らせてくれるアラート通知機能など、「万が一」のトラブルの時のため、車のコネクテッド機能は日々研究されているのです。
いかがでしたか?
1960年代頃の車のアナログさになんだか愛らしさを感じる一方で、最新のEVカーから溢れる近未来感にわくわくしたりと、車はいつの時代も乗る人の心を惹きつけると、改めて感じます。
未来の車として、空を飛ぶ車など実現不可能に思える車でも現に世界中で開発が進んでいますし、自動運転システムが普及すれば免許証のない人でも車を運転できる時代が来るかもしれません。
「昔の車はこんなところが良かった」「あの機能を初めて使ったときは感動した」など、周囲の人とお話してみてはいかがでしょうか。
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